中国四川省でほほ笑む妖精たち

ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男

2017年09月08日 19:58

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。

ヒマラヤの東端、中国四川省のスークーニャン山群は、インド大陸がユーラシア大陸にぶつかり続ける過程で、南北に峰々が形成され、ネパールヒマラヤとは違った高山植物が見れることで有名である。

関西空港から5時間、四川省の省都、成都から西へ200㎞の距離である。
近くにはパンダの生息地もあり、中国が自然の保護に力を注いでいる場所ともなっている。


左側から四姑娘山、三姑娘山、二姑娘山、大姑娘山

今回、11日間の日程でこの地を訪れ、長坪溝、双橋溝、海子溝と呼ばれる氷河によって削れた渓谷を時間が許す限り、のんびりとトレッキング。そして車をチャーターして4700mを超える巴朗山を訪れ、晩夏の高山植物(妖精)に沢山出会ってきた。

※ 参考図書: 
・四川省西北高原を行く 中国秘境に咲く花 著者 森和男 
・ヒマラヤ高山植物図鑑  著者 吉田外司夫


キキョウ科 キアナントゥス・マクロカリックス

ガレ場を好むキク科の仲間。最も標高の高い場所に散在していた。
現地では薬草として珍重されている妖精である。
寒さから花を守るように綿毛をまとう種

キク科の仲間 

4300m前後の草地に咲くゴマノハグサ。冷たい風を避け、太陽熱で温まった地面から熱を受けるように背丈は5㎝以下である。
ネパールヒマラヤで見られる種に似ていて、花弁がツートンカラーがとても印象的。

ゴマノハグサ科 ペディクラリス・ベラ

観光地ということで、街並みが整然とした長坪村。石を積み重ねて作れれた外観は、ヒマラヤの民に見られる共通な文化。
ネパールで見られる住居と異なり、いろいろな絵が描かれている。






観光地だからと言っても、英語を話す現地の人が皆無のため、中国語の辞書が大助かり!


長坪村 チベット族のホテルが軒を連ねている


キク科 サウスレア・ブラクテアタ


ケマンソウ科の仲間

牛歩のように・・・
まだ見ぬ妖精を探す。地面に這うようにほほ笑む小さな妖精に出会うと、光の加減や風向きを気にしながらカメラを取り出す。
妖精の顔が手に取るように、カメラを近づけ何枚も写真を撮る。

接写レンズを取り付け、撮影するゲスト


ナデシコ科の仲間


ケマンソウの仲間


双橋溝にて


ラン科 ネオッティアンテ・カルキコラ

ネパールで見られる背丈が15㎝ほどのメコノプシス・ホリュドゥラと大きく異なり、一つの茎からいくつもの枝がでて総状花序を形成するスペキオサ。7月頃から9月上旬まで長期間にわたり見ることができる。


ケシ科 メコノプシス・スペキオサ


キク科 ソロセリス・ヒルスタ


ユリの仲間


シャクナゲ林に生えるキノコを採る地元民


リンドウの仲間


ケシ科 メコノプシス・プニケア


モリゾウ君と名付けたシソ科の仲間


2018年初夏。この地へ再び
自分のペースでゆっくりと可憐な妖精を鑑賞できるトレッキングにご興味ある方は是非、お問い合わせ下さい。


★問い合わせ先★
ヒマラヤトレッキング専門 サパナ

077-534-5469
info@sapanatrek.com






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