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2017年07月20日

チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

気温が50度を超える灼熱の国インドから、冬季はマイナス30度を下回る極寒のヒマラをを越えて伝わった仏教。

チベットの広大な大地で暮らす遊牧の民の間でで大きく花開いた仏教はチベットからアジアの国々へ長い月日をかけて伝播していった。
日本もその一つで、チベット密教の要素を色濃く含む仏教が伝わり、いろいろな開祖によって宗派が作られ、今に至っている。

チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

チベット人が大切に懐から出してくれた、加工途中のずっしりと重たいジーストン


日本同様にチベットも大きく分けて4つの宗派(ゲルク、サキャ、ニンマ、カギュ)に分かれ、宗派の長がダライ・ラマやパンチェンラマとして君臨しているのは有名な話である。

話はそれてしまったが、仏教を厚く信仰するヒマラヤの民の間では「ジーストン」と呼ばれるラッキーストーンがあり、首から吊るし、肌身離さず身に付けている。

チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

彼らは高層の祈りが込められたこの石を特に好み、チベットで産出される深紅の山サンゴ、乳白かかったトルコストーンと一緒に装飾品として大切に扱う。
ジーストンは親から子へ、子から孫へと悠久の時間を旅するチベットの秘宝そのものである。

チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

チベット商人の中には自身のジーストンを売る者もいる


チベットでは家宝として扱われるため、銀行からお金を借りる際に、ジーストンを担保にするという話もある。
また、石の角を削って粉状にして飲むと、病気をしないとも言われているのを耳にしたことがある。
とにかく彼らにとっては大変縁起のいいモノに変わりはないのだ。


このジースートンの存在が多くの人に知られるようになったのは、かつて名古屋空港で起きた中華航空の墜落事故。
大惨事となってしまったこの事故で、生存者がジーストンを身に着けていたのだ。

私はゲストからジーストンのパワーについて教えていただいたのきっかけに、ヒマラヤを歩くたびに、山岳民族の首元に吊るされるジーストンが気になる存在になった。
チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

十数年前、チベットの聖地カイラス山へ行った時、チベットの僧侶からジーストンを譲ってもらった。

観音菩薩の模様が入ったジーストン。帰国後ひもを通し、それ以来トレッキングの時には必ず携行している。
チベットの秘宝 誰もがこぞって身に付けるジーストン

虫眼鏡を使って本物かをチェックするチベット商人


2010年8月に起きたネパール国内線墜落事故、大変痛ましい事故だったのを今でも強く記憶に残っている。

連日のフライキャンセルで振り返られ、当日のフライトを迎えた。
すでに搭乗名簿にも記され、墜落機に乗るはずだった私は、この石のパワーのおかげで運良く乗らずに別便に乗り込み、この難を避けたのだ。

天災を含む大きな災いから何度も私を守ってくれたジーストン。この石が秘めたパワーのおかげだと信じている。
乗るはずだった便の搭乗券と一緒に、お守りとして大切にしまっている。

ちなみに彼らは、石を軽くたたいて音で判断したり、思いっきり噛んでチェックする。火を近づけて石を調べる人も。貴重な石だからこそ、偽物も多いのだろう。




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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 11:37│Comments(0)コラム
 
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