2015年11月12日
大きく変わりつつあるアイランドピーク登山
2015年 アイランドピークの様子 こちら
ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。
アイランドピーク登山のベースとなる村チュクン(4750m)。
ヒマラヤに取り囲まれ、3方向から流れ出してきている氷河の堆積モレーンのすぐ横にできた場所に、8軒のロッジが所狭しに営業をしている。
ちょうど私たちが訪れた時は、登山者が少なくて混んでいなかったが、例年は大変込み合い、この村で宿泊できず下山する登山者も多い所である。
今回、アイランドピーク登山のためにこの村に訪れたのだが、どのロッジでも登山者に対して本格的な雪山登山が行えるよう、登山道具1式を貸し出していた。以前はロープやアイスバーなど。共同装備が中心だったが、今は登山者一人一人貸し出すレンタル業が盛んだった。
日々貸し出される登山セット セッティングの確認はクライミングガイドが行う
例年、アイランドピーク登山する隊は約300隊に及ぶ・
春と秋の時期に集中し、多い時は登山者だけで50人を超えることもあるのだが・・・
今年は地震の影響で登山者が少ないと思っていた。しかし、実際に訪れてみると予想は大きく外れてしまった。
夕方チュクン村からBCにやってくる登山者が宿泊するテント
興奮を少しでも抑えられるよう、静かな場所に私たちのBCを作ってある
私たちが訪れた際は1日に40人ほどがアタックを行っていたのである。
スタッフも含めれば100人近い者が毎日入れ替わっているの計算だ。
登山を陰で支えてくれるポーターにとっても快適なBCであることが、登頂へのポイントである
欧米人登山者はBCへ向かってチュクン村をお昼過ぎに発ち、翌朝1時頃に頂上を目指して出発する。
早い者は7時頃に登頂をして、夕方にはチュクン村に戻ってくるのだ。
このような日程で登山を楽しむ欧米人に何人も出会った。
アタックした日、私たちの隊以外は全てBCからアタック
昔はBCに入ってから体調を整え、HCP(5400m)を設営して、翌朝アタックを行う。下山後はBCにて休息というプランが主流だったのだが・・・
今は体力勝負の短期決戦型の登山に様変わり。
それに応じて、この地に来る登山者も大きく変わった。
アイゼン装着(5800m)ポイントに集まる登山者
若者が多くてむしろ雪山をはじめてするような登山者が増えた。登攀道具の使い方を全く知らないと思える登山者も多くいた。
今後、このようなプランが更に当たり前になり、かつての登頂プランはマイナーになっていくのでは?と思う。
とはいっても、登頂を目指す人にとって、ヒマラヤの頂に立ちたいものである。
安全で確実に登頂を踏むために、HCPの設営はとても大事なことだと考えている。
ヒマラヤを楽しむ上でも、慎重に状況を冷静に判断し、その場その場に応じた対応ができる登山を行う形で、サパナはこれからもアイランドピークの頂に、ゲストを案内したいと思う。
ヒマラヤトレッキング・登山専門 サパナ
Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 18:14│Comments(0)
│2015 アイランドピーク