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2015年04月18日

トレッカーに知られていないガンジャラ峠に立つ!

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

ガンジャラ峠へのアプローチは想定していた以上に長く感じた。
4300mを越えるあたりからは・・・常に心臓がバクバクするほどの急登が続く。

60年前この道を通った深田氏も同じだっただろう・・・
苦しい登りだからこそ、彼のことを必然と考えてしまう。振り返れば神々しいヒマラヤが応援しているようにも思え、足元を見ながら一歩ずつ前に進んだ。

手元の高度計が4900mを示している。
両脇にそそり立つように聳える峰から削り取られた礫が、目の前に横たわるる氷河の上を覆っている。

彼の紀行文では・・・真っ白な氷河の上を歩いたとの事。
今はその時の風景はまったく見られない。

氷河が少しずつ動いていくたびにルートが変わるのだろう。
現地の人が歩く時につけた踏み跡が途切れ途切れになっている。
音を立てて石が転げ落ちていくのを何度も見た。

安全なルートを探しながら歩くため何度も立ち止まり、周囲全体を確認しながら一歩を踏み出す。



南の空から陽射しがあたるようになると、谷底から湧く雲がみるみる成長していく。
最高の景色を楽しませてくれていたランタン谷のヒマラヤ
あと数時間もしないうちに、見納めになってしまうのだろう。


◆ 所々には真っ白な氷河が口を開けている。


左側のアブレーションバレーに沿って緩やかにコースを回り込むと・・・・
ランタンリルンが少しずつ岩峰の影に。
真正面にはシシャパンマがはっきりと望めるようになった。

足場の不安定なトレイルを延々と歩くこと数時間
ついに、ガンジャラ峠がその姿を現した。



先頭を歩くスタッフの大きな荷物を目印に・・・
道無き道を歩いていく。

無我夢中になって、先頭を歩くスタッフに追い付き、カトマンズから持参したロープを大岩に括り付けた。
両手でロープをつかまらせながらスタッフが一人ずつ岩場を通過させていく。


両側がキレットになっているガンジャラ峠に立った!




全員が通り抜けるのに1時間以上かかった。

ゴツゴツした岩が乱立する中、平らな岩に腰かけて、コックが朝早くから作ってくれたお弁当を頂いた。
すっかりガスの中に入ってしまったが、時々見せる白き峰を見ながら、峠に立てた喜びに浸る。


◆ ナヤカンガ南面壁にある懸垂氷河

スタッフたちも疲れた様子だ。
手持ちの水分を与え、ゆっくりと休ませる。彼らのサポートが無ければ・・・
この峠を越えることはできない。

当時、深田氏も数十名を超えるポーターを引き連れこの峠を越えていった。
この地こへのトレッキングを熱望されていたゲストにとって、感無量の気持ちでいっぱいだろう。
ゲストの喜ぶ顔を見て、思わず目頭が熱くなった。


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◆ 初夏にお勧めしたいトレッキングは こちら

ヒマラヤトレッキング専門 サパナ では・・・

世界最高峰のヒマラヤを手に届く山に出来るよう』 歩かれる方の思いをひとつ一つ形にしていくトレッキング・登山を行っています。
  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 14:55Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年04月17日

深田久弥が歩いたガンジャラ峠を目指して出発

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

ヒマラヤをすっぽりと覆う厚い灰色の雲。
西の空に太陽が沈むと同時に、東の空から一気に暗闇にやってきた。
今まで無風だったのに、急に風が吹きはじめテントの外張りが音を立てはじめた。

寝袋の中にもぐりこんで、明日の天気が晴れることを願うばかりだ。



※ BCからガンジャラHCPを目指す

時計の針は未だ真夜中の12時を指していた。
眠ってしまった間に風は納まり、何も音が無い世界。

満点の星空が広がっているのを期待してテントのジッパーを下して外を見ると・・・小雪が降り出していた。

無事ガンジャラパスを越えれるよう、ヒマラヤの神様に祈った。



まだ暗いうちから朝食の準備を取り掛かるスタッフ達の声が夜明け前のBCに響いていた。

ゲストのテントから順に紅茶が運ばれ、その後に朝食が運ばれてきた。
スタッフの靴には雪がびっしりと付き、BC一面がうっすらと雪が積もたことが容易に分かった。
雲が垂れ込めているようで星の輝きは見全く見えなかった。

目を擦りながら出発の準備をしていく。パッキングが整い、HCPをめざしてテントを後にする。
朝一番の登りは体にキツイ。



ランタン渓谷に沿って下る乾いた風が灰色の雲を少しずつ消していく。
目が覚めるような真っ青な空が見えはじめ、私の心配ごとが薄れていく。



最後まで頂きを隠していた雲が取れ、雲海にヒマラヤの島が現れた。


ここに、ランタン谷に聳える峰々が勢ぞろいした。
ランタンリルン、キムシュン、ユブラ、ガンチェンポ、ランシサリ、ペンタンカルポリ・・・そしてシシャパンマ。
6000m~8000mの巨大な塊が私たちのトレッキングを応援しくれているように思えた。




当時、深田久弥が見て感動した時の光景と同じ光景を見ていると思うと、嬉しさが何倍にもなる。



足場が滑りやすい砂道の傾斜が緩くなると、氷河の末端に出た。
踏み跡の少ない岩の道に変わり、足を置きやすい場所を探しながら歩いた。




目の前に横たわる氷河の上にナヤカンガ峰が顔を出し、朝陽を浴び神々しく輝いていた。

しばらく歩くと・・・
数張りのテントが設営できるHCPに到着した。


※ ガンジャラ峠方面を 望む




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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 21:29Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年04月03日

久弥が通ったガンジャラ峠を目指して!

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

興奮してなかなか眠れなかった長い夜が終わり、気持ち高ぶるなか朝を迎えた。
雲一つない青空が広がり、村はまだ静けさに包まれていた。


・朝陽を浴びて輝くランタンリルン(7245m)

おかゆとお味噌汁、副菜に漬物が用意されたテーブルに座り、ゆっくりと食事を頂く。
最後にフライパンで焼かれた目玉焼きが運ばれ、お皿に盛られた。



ロッジの外では、ポーターたちが手際よく荷物を分け、同じ重さの塊を作っている。
そして器用にロープで縛り、出発の時間を待つだけだった。


・女将さんと住み込みの女の子に見送られて・・・

2日間、お世話になったロッジに別れを告げ、ガンジャラ峠目指して歩き出した。



リルン氷河が押し出したモレーンの中を下って行く。
ランタン川にかかる鉄製の橋を渡るとすぐに、小さな池の前に出た。踏み跡の少ない小道を回り込み、樹林帯に吸い込まれるように道が続いている。



滑りやすい道の連続で、早く樹林帯を抜けたい気持ちでいっぱいだった。



樹々の間から白き峰々が見えてくると、樹林帯を抜けるのには時間はかからなかった。
再び青い空にヒマラヤが神々しく輝いている中を歩く。


・遥か向こうにキャンジンゴンパの村



出発する時にはそれほど雲はなかったのだが・・・
いつの間にかヒマラヤを覆い隠すように湧き出していた。



冬に備えてこの高度までヤクが下りてきていた。
彼らの食事を邪魔しないよう、遠くから眺めるだけにした。


・キャンプ地はこの丘を越えた先

目の前に、小高い丘がみえてきた。
スタッフ達は軽快な足取りで、丘めがけて進んでいく。
私たちは休憩を取りながら、ゆっくりと進むだけ。
そして、丘に立った時、向こうに見える草地にテントを張り始めていた。

4月に訪れた時、水場の確認をした所だった。


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 21:41Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年04月02日

4450mへの世界へ

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

もっと高い所へ・・・
向こうのピークまで稜線が続いている。そのピーク目指して歩き出す。

数か月前、この辺りはイブキトラノオのピンク色で埋め尽くされ、真っ白なアネモネと共演をしていたのを思い出した。


・4450mのピークに向かって

ランタン谷の盟主・ランタンリルン(7245m)の巨大な氷河の末端に、大きな氷河湖が出現。
毎年成長し、決壊の心配が出てきている。
キャンジンゴンパからは分からないが、ピークに登るとはっきりと全貌が望める。


・リルン氷河にできた巨大な氷河湖にびっくり

頂上直下、太陽の陽射しをいっぱい受ける岩にへばり付くように咲いていたキク科の花


・ヒッポリティア ゴッシピナ(キク科)

すっかり雲に覆われて、神々しいヒマラヤは見えなくなってしまった・・・
誰ひとり、高山病の症状も無く頂上を踏むことができた! ヤッタ-


・キャンジンリから歩いて1時間30分で到着


・周回道を歩いて下山する

緩やかに下る周回道を進み、下山することにした。
今までの草地道から崩壊地を横切るように道が続き、砂地の道に変わる。
道ははっきりしていて迷うことは無い。






・ドライフラワーになったキク科の花


・分岐にあるケルンに旅の安全を祈ってタッチ!


・サンプクリンドウの大きな株を発見

向こうにキャンジンの村が見えてきた。
頭上には明日から挑むガンジャラ峠がある峰々が見えていた。



私たちの到着を知っていたかのように、ロッジに戻ってくるときし麺が出てきた。
出汁が効いた濃い味が食欲を更に勧んだ。





明日から始まるガンジャラ峠へのトレッキングに際して、スタッフ含め早めに準備を整えてゆっくりと休んだ。


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 21:37Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年04月02日

山全体がお花畑。お花で埋め尽くされたピークへ登る!

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

停滞日を利用して・・・
暇を持て余すスタッフを連れ、村の北に聳える4200mの丘に登ってみることにした!

朝から多くの登山者がこの丘を目指して登る。
地元ではキャンジンリと呼ばれており、はチベット語で丘を表し、あえて言えばキャンジンの丘ということになる。

標高差400mのほどであるが、富士山をはるか超えた高度を歩くので、無理せずゆっくりと。


・背丈は2cmほどのキク科の花

草地の斜面は青や紫系の色をした秋の花で埋まっていた。
背丈の低く日本にも馴染みあるリンドウやキク科の花。


・ランタン谷で見られる3種のエーデルワイスの一種

ランタン渓谷を駆け上がる心地よい風が吹きはじめ、私たちはその風に乗ってピークを目指す。



太陽の光をいっぱい浴び、お花が大きく開いていく。
どれもが宝石のように輝いて見え、気に入ったお花の前でじっくりとカメラを向ける!
これはヒマラヤの高地を安心して歩くために重要な高度順応の方法のひとつである。

出来そうでなかなかできない順応法を今回の参加者は全員、初めから身についている。


・秋を代表するリンドウ ゲンディアナ・オルナタ

リンドウ科のお花の中で散生して咲く、珍しいお花を見~つけた!


・サンプクリンドウ属の花



自分のペースでゆっくりと登って行く・・・・
一緒に歩き出した欧米人は頂上の景色を堪能して、下り始めていた。



神々しい峰々、可憐な花々・・・
思い思いに撮影し、花弁に触れながら頂上が見えるところまでやってきた。
4000mを超える高地になると植生が大きく変わるので、今まで見ることのできなかったお花が沢山咲いている。
頂上の印となる旗のあるところまで、もう少し時間がかかりそう。



私たち以外、誰も居なくなってしまった頂上に立ち、ヒマラヤを独り占め!
目の前に立ちはだかるランタンリルンからキムシュン峰の稜線を見ながら、しばし感動の境地に浸った。


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 12:38Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年04月01日

残花多きランタン渓谷を進む

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

目が覚めるような青空が一面に広がった!
空を眺めているだけでも良い。
谷奥には氷河を抱いたガンチェンポの峰がはっきりと望める。



大きな荷物を背負って後ろから追いつてきたスタッフに、ご褒美のヨーグルト
大さじ一杯の蜂蜜を入れ、ゆっくりとかき混ぜる。
見ているだけで・・・食べたくなってくる。

ヤクから取れるわずかな乳で作った栄養価高いヨーグルト。
この地まで来なければいただけない絶品である。



朝露が残り、花が生き生きして美しい。







秋本番といった時期でも、たくさんの花が残り、とっても嬉しい。

ランタン村で少し休憩。
村の中はすでに登山者が出発し、閑散としていた。
汗ばむ陽気に、担いでいる荷物をベンチにおろし、太陽の熱で乾かす。
湯気が立ち上るようにして見る見るうちに乾いていく。

足元でほほ笑むお花を探しながら前に進む。



今まで見ることができなかったエーデルワイスを発見。
この高度まで来ないと見られない種であり、周辺には株状になって幾つも咲いていた。



ベストショットを撮ろうと、地面に寝そべって撮影。
太陽の位置、風の強さ・・・狙った写真を撮ろうと何枚もシャッターを切る。

再び違う花を見つけ、写真撮影に没頭しながら、ゆったりと流れる時間を楽しむ。





先頭を歩いていたキッチンスタッフが、乾いた喉に通りやすい天ぷらうどんを作ってくれていた。
かつおだしの効いたつゆに、ネギとショウガと大根おろしの薬味を入れ、ヒマラヤを目の前にしていただく!

太陽が照り付け眩しいが、峰々が見えるロケーションで頂けるのは最高である。
カリッと揚がった天ぷらもおいしかった。

熱せられた空気がヒマラヤからの冷たい空気に触れ、雲が湧き始めた。
雨の心配はなさそうだが・・・

枯草となった放牧地の中にに続く平らな道を歩き、ランタン渓谷最奥の村、キャンジンゴンパを目指した。




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◆映像でただるガンジャラトレッキング前編




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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 10:16Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年03月20日

原生林を抜け、断崖絶壁が続くランタン渓谷の核心部へ

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!

1000m以上に切りたった渓谷の谷底に、バンブーの集落が豆粒のように見えた。
水平方向に川下に向かって目を移せば、シャブルー村が尾根上に建ち並び、斜面にびっしりと開かれた畑はヒマラヤのパッチワークそのものだ。



ここからラマホテルまでアップダウンの無い道を進み、最後に緩やかに下るだけ。
先頭を歩くポーターの姿がいつしか樹林の陰に隠れてしまい、足元のお花と頭上高くに聳える白き峰々を見ながら歩くことにした。









原生林の森の中でひっそりと人々が暮らすラマホテルにやってきた。
通常ルートを歩くトレッカーともここで合流し、急に賑やかくなる。

苔むした大樹が育つ原生林の中にも、僅かな陽光を浴び力いっぱいに競って咲く花々。
2間半ほど歩くとリバーサイド(2600m)という場所に出た。
地名の由来通り、川傍に建てたられた時代を感じる1軒のロッジ。
少し離れた場所にある小屋の中で、スタッフ達が私たちに昼食を作ってくれていた。



茅葺屋根のベンチに座って涼んでいると、同じ大きさに整えられたおにぎりが出てきた。
食欲がそそられ、疲れた体に梅干しの酸っぱさはとても嬉しかった。

川の向こう岸には灰色の毛で覆われているサルの群れ。私たちの食事を羨ましそうに見ているようだった。



午後から再び、樹林に覆われた涼しい中を歩き、ゴラタベラ(3000m)を目指した。
木々が無くなり視界が一気に開け、目の前には断崖絶壁が延々と続くU字渓谷が広がている。
遥か向こうの段丘上にはランタン村が見えている。

ジグザクと段丘を越え、数軒のロッジが軒を並べるタンゲシャップ村に到着
女将の案内でリビングへ。背負っていた荷物を下ろし、撮り続けた写真を見ながら、トレッキング2日目が終わった。



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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 16:58Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年03月17日

抜群の展望が楽しめる別ルートを進む

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です!


ヒマラヤから流れ出す一滴が集まり、長年にわたって深い渓谷を刻みこむ。僅かな平らな土地にへばり付くようにして築かれたシャブルベンシの街。
チベット国境からほど近く、街の中には中国から運ばれてきた品々であふれ、ここがヒマラヤの麓? と疑ってしまうほど賑わっている。



まだ夜が明ける前から小鳥たちがさえずり、始発バスの合図で目が覚めた。
約60年前、日本人として初めて深田久弥が仲間と一緒にこの地を歩いたのだ。

ランタン渓谷には2つのルートがある。通常ルートと呼ばれる、川沿いに延びる樹林帯を歩くコース。
もう一つはカンジン村まで800m一気に高度をあげ、展望の良い草道を歩いてラマホテルを目指ルート。



私たちは後者のルートを歩き、ランタン谷を辿った。
氷河湖が点在するゴサイクンドや7000m級の峰々がそびえるガネーシュヒマールを仰ぎながら見えることで欧米人トレッカーに特に人気がある。



村の外れにあるチェックポストの所からチベットに源を発するボテコシ川にかかる吊り橋に向かい、この橋を渡ったところからランタントレッキングがスタートする。



粟が実りはじめた段々畑の中に続くジグザク道を登る。
途中から針葉樹林の中を歩く道にかわり、巨大な松ぼっくりがいくつもぶら下がっていた。



出発して2時間半、数十軒の民家が立ち並ぶカンジンの村に到着した。
チベット教のゴンパ(寺)を囲むように村が築かれ、いつもお世話になるロッジにて休憩することにした。

この先適度な場所に民家が無いこと、ゲストにお花をもっとじっくりと見せてあげたいという思い。
コックと打ち合わせを行い、この村で早めの昼食をとることにした。



昼食後はお花を見ながらのんびりと。シェルパ族が暮らすシェルパガウンの村へ





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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 22:04Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年03月14日

深田久弥が歩いたガンジャラトレッキングに出かける

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。

下見から5ヵ月たった9月末、日本人で初めてこの地を歩いた深田久弥の足跡を辿るため、再びランタン渓谷へ向かった。


日本を飛び立ち、5時間半で経由地であるバンコクへ
再び乗り換えて3時間、ヒマラヤの国ネパールに到着した。



長く続いたヒマラヤの雨季が明け、空気が澄んで気持ちが良い。
照りつける陽射しは強いが空高いところに雲、秋のトレッキングシーズンの到来だ!



スタッフの出迎えを受け、ホテルへ向かった。
深夜のフライトだったので、明日からのトレッキングに備えてまずはゆっくりと仮眠。
香辛料が効いた機内食だったので、胃の調子を戻せるよう和食の店で、ヒマラヤの味を楽しんだ。

翌朝、専用車に乗り込みトレッキングが始まるシャブルベンシ(1450m)へ向かった。
所々で立ち止まり、道端のお花に目を向ける。




※ キキョウ科  コドノプシス・ロトゥンディフォリア
受粉を終え、少しずつ雄しべが柱頭から離れ始めていた

一昔のように、お尻がシートから離れるような悪路は無くなり、快適な道が続いている。
所々ですれ違うローカルバスには、天井に溢れんばかりの人を乗せ、エンジンをうならせ下って行く。


※ ランタン国立公園事務所

ここから数分走れば、この地域の行政機関が集まるドゥンチェの街
コックは車から飛出し、新鮮な食材を求め八百屋回りに勤しむ。

夕方前、チベット国境までわずかな距離にあるシャブルベンシの街に到着した。
明日からのトレッキングに備え、この街の外れにある、露天風呂に出かけた。


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 16:06Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年03月10日

手ぶらで駆け抜けたヒマラヤトレッキング

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。


重たいザックをスタッフに任せ、空身で歩いたヒマラヤより戻ってきた。
ホテルのバスタブに溢れんばかりのお湯を張り、肩までしっかりと浸かって疲れをとる。
天井を見ながら慌ただしく駆け抜けたヒマラヤをゆっくりと思い出す。

目的だった心配ごとが解消でき、自信もって秋のツアーを案内できる嬉しさでいっぱいだ。

ゲストが送ってくれた一通の手紙によって、いつもと違った視点でこの地を歩き、いろいろな体験をさせてもらうことができたことに感謝。
春のランタン谷に咲く可憐な妖精にも出会え、愛用のカメラでたくさん収めた。

今回は毎食ロッジで食事をとった。
ロッジの女将さんが作ってくれる愛情こもった味には最後まで慣れることができなかったが・・・
懐かしい味を思い出し、学生時代にここで卒業論文を書き上げた時のことも頭の中にたくさん浮かんだ。
当時も日本食が恋しくなって、毎月一回ビザの延長を兼ねてカトマンズに戻ったものだ。





ヒマラヤの中を健康的に歩くための原動力となる食事は、時として気分転換も図れる。
スタッフと一緒に採った蕨を茹でて、醤油に絡めて頂いた時はほっとした。
体に染みついている食習慣の違い、身をもってその大きさを感じた。


毎日コックの家に通い、作ってくれる食事に感激。

いろんなお皿がテーブルに並び、綺麗に盛り付けされ、繊細な味付けで食欲が湧いてくる。
また、体調に合わせてすぐに食事内容を変えて作ってくれる心遣い・・・
どれもうれしい限りである。
彼が作る食事、ガンジャラトレッキングで食べるのが楽しみだ。



帰国までの数日、市内をいろいろと回ってみた。
スタッフが通う日本語学校にも足を運び、先生に短期間で日本語を上達できるようお願いをした。
宿題が増えて困惑する様子が面白かった。



日中は30度近くまで気温が上がり、日陰にいても汗ばむ陽気。
ライチなどの熱帯性の果物が店先に並びはじめ、ここに来た時より季節が大きく変わりはじめている。

バレーボール位の大きさに育ったスイカをスタッフにプレゼント。
唐辛子をすりつぶしたものをたっぷりと塗り、ガブリ・・・
なんでも唐辛子をつけて頂くネパールの食文化が面白い。



カトマンズを発つ日、知人のネパール人のおかげで、ラウンジを利用させてもらった。
市内の喧騒とはほど遠く、なぜか居心地が悪い。外にでて混雑する出発ロビーでフライトを待った。



離陸して間もなくすると・・・進路はヒマラヤめがけて飛び、神々しい峰々が眼下に広がってきた。



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2015年03月09日

いざカトマンズへ!

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。


太陽の暖かい陽射しが入り込み、部屋の中の気温が急上昇。
これから急いで下山し、行けるところまで下る。

ロッジの女将さんに簡単にできる朝食を頼み・・・
その間に、寝袋を押し込みパッキング。

ダイニングに運ばれてきたのが、チベタンブレッドと呼ばれる揚げたパンだった。
他の登山者が注文したものを先に運んでくれたようだ。
はちみつをたっぷり。ミルクティーと一緒に胃の中に流し込む。



短期間だったが、お世話になったキャンジンゴンパに別れを告げ、荷物をすべてスタッフに預けて枯草道が続く中、ランタン村をめがけて歩き出した。

すでに雲が湧きだし、ヒマラヤの頂きに引っかかるようにして雲が溜まっていく。

できることなら、今日中にチベット国境への玄関口であるシャブルベンシの村に着きたい。
そして明日の車でカトマンズへに戻り・・・

ここで頂く食事に辛さを感じ始めたため、カトマンズが恋しくなる。

下り始めると・・・
春の妖精たちがいっぱいほほ笑えみかけてきた。



ネパールの国花であるシャクナゲ。ランタンでは赤だけなく、白や黄色の種も見られる。


枯草の中からにょきにょきと顔を出す、サクラソウ。
この花が出てくると春本番である。


アヤメも負けじと顔を出す。ランタンでは春咲きの種と夏咲きの種がある。


現地ではロクタと呼ばれ、ネパール紙の原料として使われている。


ロクタの周辺は甘い香りが漂うので、足元が何故か止まってしまう。
この香りを胸いっぱいに吸い込むと、元気が湧いてくる


冬の間、標高の低い放牧地に移動していたヤク(高地牛)がこの高度まで戻っていた。
後1か月もすれば4000m以上の放牧地に移され、更に青々した牧草を求めて高い場所へいく


背丈が4㎝程のスミレもたくさん足元を飾っていた


雲がずんずんと溜まり、ヒマラヤを覆い隠す勢い
午後からは天気が心配だ


ネパール人は食用にしない蕨
登山道の両側にはたくさん生えている。スタッフにも協力してもらい2人で蕨採り



ラマホテルに着くと、先ほどとった蕨が出てきた。
持参している醤油をつけていただく。
ちょうど良い堅さと灰汁が抜けておいしい。ダルバートと蕨のコラボは正解。

蕨を食べる私を横で不思議そうに見る山岳民族の人たちが面白い。
ファーストフード並の速さで昼食を食べ、シャブルベンシまで下山することに。

夕方4時過ぎ、くたくたになって到着
ムンムンする熱気で空は黒い雲が立ち込め、夕立がありそう・・・

村人によって川べりに作られた天然温泉に向かった。

すでに先客で賑わっている中、自然の恵みを分けてもらおうと入っていくと・・・
人懐っこい人たちに囲まれ、ついつい長湯に。
疲れ切った体には最高なプレゼントになったようだ。
湯船まで冷たい飲み物を運んでくれるサービスに大満足。

部屋に戻りベットに横になると、明日の夕方にはカトマンズに着ける幸せで、そのまま眠り込んでしまった。


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 16:07Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年02月24日

これぞ、ヒマラヤの別天地

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。


外国人登山者たちの話し声が、睡眠を求める私を現実の世界に引き戻した。
カーテンをめくり、飛び込んでくるまぶしい光と凛とした空気が一気に眠気を覚ます。
窓越しに見える神々しい峰々。その上空には雲一つない、蒼天の空が広がっていた。

ハードの山登りとなり疲れ切っていた体も、十分な睡眠と適度の水分を得てすっかり元通り。
スタッフはすでに起き、ロッジのお手伝いをしるようだった。



澄み切ったヒマラヤの空高く、鷲が悠々と谷全体を見渡す様に舞っていた。
獲物をみつけたのだろうか、鳴き声が聞こえてくる。

食事を作る女将さん甲高いの声に誘われ、温かい服装に着替えてダイニングへ。
かまどの前に陣取り、冷たくなっている手を擦りながら暖をとる。


※ アップル・ブレッドと目玉焼き

私のために、リンゴをスライスしてチャパティー(パン)に挟んで焼いた、特別な食事を作ってくれた。
リンゴの酸味が少し効いているので、はちみつをたっぷり。
慣れないホークとナイフを使い、お皿に力いっぱい押さえつけるように切って頂く。


※ チャパティーと卵焼き

スタッフ用の食事が運ばれてきた。
塩加減の丁度良さそうな食事に唾をのみ込んでしまう。
ロッジの人が作ってくれた食事・・・感謝、感謝。

昨日見てきた水場の様子を村の人と確認作業
ほぼ問題ないとのこと。


※ さらに白くなったポンゲンドプク峰


※ ナヤカンガ峰

目の前に広がる大パノラマが気になり、カメラが手放せない。
少しずつ太陽が動くことで、ヒマラヤに当たる光の色が微妙に変わっていく。


※ カトマンズから持ってきたソーラーパネルセット

現地の人にとっては当たり前の光景で、見飽きているのだろうか?
私が運んできたソーラーパネルセットに興味移り・・・
製品の特長に耳を傾け、しきりに『売ってくれないか!』としつこい。

11時過ぎ、彼らの昼食時間に合わせて・・・


※ 1日2回、ネパールの国民食 ダルバード

山盛りのごはんに、羊肉の干し肉が入ったダルバードが運ばれてきた。
注文していないのだが・・・『食べろ食べろ』と言って、勧めてくれる。
ありがたく頂き、彼らとさらに親密な関係を築き、ガンジャラトレッキングに備える



明日には下山を開始し、急いでカトマンズへ向かうことにする。


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◆ 初夏にお勧めしたいトレッキングは こちら

ヒマラヤトレッキング専門 サパナ では・・・

世界最高峰のヒマラヤを手に届く山に出来るよう』 歩かれる方の思いをひとつ一つ形にしていくトレッキング・登山を行っています。
  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 09:21Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年02月21日

最重要任務を完了

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です

天気が崩れてきているのにもかかわらず、ネパール人のスタッフは・・・
お香をたくときに使う草を摘み始めた。


※ ツツジ科の花で『スンパティ-』と呼ぶ

キャンプ地に向かって前に進まなければならないのだが、彼にはその気が全く無い。
ビニール袋いっぱいになるまで、この場所から離れないようだ。
彼をその場において、先に進んだ。

残雪がさらに増え、滑りやすくなった草地の急坂を慎重に登る。
呼吸が荒くなると、休んで呼吸を整える。
既に、対岸に見えていたキャンジンゴンパの村は雲の中に入ってしまっていた。

大岩の下に作られた細い道を通りキャンプ地にやっと着いた。
雪に覆われてしまっている水場を探すため、木の棒を使って雪を掘り返す。


暫くして、満面な笑みをしながらスタッフがやってきた。
ビニール袋にいっぱいに入った草を取出し、平らな石の上に香を置いて焚き始める。
ザックからチベット教の経文も取出し、唱え始めた。


あっちこっちの雪を掘り返し・・・
キャンプ地から50m離れた場所にある大きな石が転がる場所で、水場を発見した。
土砂が入り込んで掘り返しが必要だったが、大きな修復は必要なかった。

雪が降ってもおかしくない天気の中、水場の確認が出来て良かった。
これも彼が香を焚き、神に祈ってくれたおかげだろうか。
ヒマラヤには、私たちの予想を超えた偶然が起きることが多い。
キャンジンゴンパを目指して、同ルートを下ることに。



ロッジの女将さんが心配そうに出て来てくれ、温かい飲み物で体を温めた。
服を着替え、再びロッジのダイニングに戻ってくると・・・



雪は強く降り始め、見る見るうちに積もっていく。



溢れんばかりの炎を上げるかまどの横に座り、窓越しに越しに見える雪景色を見守った。

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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 12:35Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2015年02月18日

一通のメールから始まったヒマラヤトレッキング

ヒマラヤ専門ガイドの浅原です。

昨年の秋、最高の天気の中を歩いて大満足で終わったガンジャラトレッキング。
お客様と一緒に帰国すると、すぐに6000m峰登山、そしてエベレストトレッキングと立て続けにヒマラヤへとんぼ返りでした。
今頃になって、その時の様子をブログで紹介ができていないことに気づき・・・
当時のことを思い出しながら、記していきます。

●お客様から届いた一通のメール●

日本百名山の名づけ親、『深田久弥』は昭和33年、日本人では初めて、仲間と一緒にランタン・ジュガールヒマラヤへ遠征。長期にも及ぶ滞在で数々の貴重な資料を持ち帰り、すぐに雑誌に寄稿文を載せ、この地の美しさ、素晴らしさを世の中に発表した。
後に、編集され寄稿文が文庫本として出版され、お客様の手元に。

お客様より紀行文のことが添えられたメールがサパナに届いた。
そこには、『ランタン・ヒマールの氷雪の峰々が総勢揃い・・・』と記され、何度も訪れて我が庭のように思っているランタン山群が全く別のヒマラヤのようにも思えてしまった。


※ ガンジャラパス手前より

●地図に大きく記されているが殆ど知られていない●

ランタンヒマールが記されている地図を広げてみると・・・
地図のほぼ中央に位置する場所にあるキャンジンゴンパ村。その村を起点に南に向かって一本のトレッキングルートが延びている。
途中、標高5100mと記されたガンジャラ峠があり、トレイルはさらに南に延び、ヘランブー地域にあるタルケギャン村を経てカトマンズに続いている。


※ なだらかな峰々が続くチベット領内のヒマラヤ

毎年、訪れるランタン谷であるが、この峠を越えてくる登山者にはまだ出会ったことは無かった。
数人の村人だけが知っている情報を求め、2014年3月、単身でヒマラヤへ向かった。


※ エベレストが雲の隙間から見えた


●予想以上にハードな情報収集●

カトマンズ到着後、スタッフの従弟にポーターを頼み、専用ジープでランタン渓谷へ入った。


※ 朝食として出してもらったチャパティーとはちみつ

春のトレッキングシーズンに訪れたのだが、登山者の数は意外と少なく、どこも閑古鳥が鳴く状態だった。
普段、ヒマラヤでいただく食事と大きく異なるため、なかなか食が進まない。
これが彼らが出してくれる最高のもてなしに感謝して、いただく。


※ 真っ白な大輪で咲く石楠花

3日目にして、標高3800mにあるキャンジンゴンパに入り、ガンジャラ峠の最新情報を求めた。


※ 毎年1軒ずつのペースで増えるキャンジンゴンパ

ある村人より、キャンプ場となる水場の情報を得ることができた。
彼曰く、『雪崩で水場が壊れていないか調べる必要がある』とのこと。

(秋のツアー)たくさんのスタッフを引き連れ、無人地帯を進んで行くため、水場の確認は最重要任務。
現在の状態をしっかり確認するめ、ロッジの女将さんにお弁当を作ってもらい、スタッフと一緒に、ロッジを後にした。

ぬかるむ石楠花の森、枝にしっかり掴まって前に進み、キャンプ地を目指す。
所々に、残雪が出始め、慎重に足場を確保して前を進んだ。


※ 春はすぐに天気が崩れてくる

次から次へと谷を駆け上がる雲がヒマラヤにぶつかり、滞留していく。
秋に比べ、雲の出が早い春は、時間との勝負である。
青空が徐々に消え、お昼前には完全に雪雲に覆われてしまった。

続きは・・・こちら


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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 17:48Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年12月04日

お客様から届いたトレッキングの報告書

ヒマラヤガイドの浅原です。

夕方、外出先から戻ってきたら・・・
郵便ポストに大きな封筒が一つ。

手に取ってみると・・・
今秋行ったランタン・ガンジャラトレッキングに参加されたお客様からでした。

中を開けてみると・・・
トレッキングの報告書が1冊、DVDが3枚入っていました。


◆ A4サイズ 30ページにわたる報告書

いろんな場面で撮影された写真。
日程ごとにまとめられ、写真を見ているだけで・・・
トレッキングの様子が分かる思い出でした。


◆ お花の名前やスタッフの名前も


◆ 山々の名前だけでなく、エピソードまで記載されていました。

普段から本を読むことが好きな母にこの報告書を見てもらい
お客様が歩いたヒマラヤ・ランタン谷の旅を体験してもらいました。

また、このツアーに参加された別のお客様も沢山な写真を使って
トレッキングの思い出をインターネット上で公開しています。


この素晴らしい思い出の詰まった報告書を家内や子供たちにも見せて、
一緒にヒマラヤの雄大さ、人々の逞しさを共感したいと思います。



ヒマラヤトレッキング専門 サパナが行うツアーの特徴は・・・
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
日本人ガイドが同行し、歩く人に合わせた高山病対策を行って、無理なく笑顔で歩けるツアー!
●日本食コックが毎食安心して食べれる温かい日本食を作り、あなたの歩きを最後までサポート!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 19:33Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年10月11日

初秋のヒマラヤへ出発

ヒマラヤガイドの浅原です。

9月末、トレッキングシーズンを迎えたヒマラヤ
全国から集まったゲストと一緒に、関空を飛び立ちバンコクを経由して初秋のネパールに向かった。



深夜のフライトの為、いつものように関空は閑散。
大手旅行会社が募集したネパール観光のゲストと一緒に、バンコクを目指した。
数時間のトランジットを経て、3時間のフライトで神々の座が連なるネパールへ。



ネパール到着後、わずかな距離にも関わらずバスに乗車してイミグレーションへ。
同時間に数機が着陸し、観光客で大混雑。
約1時間かけてビザ取得と入国手続きを済まし、空港の外へ。

真上から照らすギラギラとした太陽
額から汗がたら~り。
スタッフの出迎えを受け、空港から6kmの距離にあるホテルへ



ホテルに到着後、ゲストに「数時間ゆっくりと寛ぐように!」伝えた。
夜間の飛行で機内で眠れるというものの、日付をまたいだり、興奮して気持ちが高ぶっていることが長時間に及ぶので、しっかりと休息をして普段の体調に戻すことが大事だ。

夕方6時過ぎ、ホテルのレセプションに集合し、外国人ツーリスト、ネパール人で溢れかえる市内へ繰り出すことに。
ネパールルピーへの両替や地図の購入を済ませた。
ネパールの食事も頂きたい所だが、明日からのトレッキングに備え、お腹に優しい日本食レストランへ。

ゲストの体調を訊きながら、明日の予定等を伝え、20時にはホテルへもどって就寝。



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歩く人に合わせた対応(高山対策、食事等)で、最後まで笑顔で歩けるトレッキングを行っています。

ヒマラヤトレッキング専門 サパナ
  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 23:33Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年10月10日

深田久弥も歩いたガンジャラトレッキング ダイジェスト版 ②

ヒマラヤガイドの浅原です。

今回のトレッキングの核心部と言えば・・・
キャンジンゴンパ~ガンジャラ峠~タルケギャンまでの4日間である。


※ キャンジンゴンパの南側を下り、橋を渡る


※ タケカンバや石楠花が茂る森を歩く

このツアーを催行するにあたり、4月にスタッフを連れて下見を行った。

一年のうち8割が雪で閉ざされ、トレッカーを寄せ付けないガンジャラ峠
途中にロッジが無いため、キャンジンゴンパで暮らす人ですらほとんど歩かないのである。
無人地帯が4日間続き、5000mの峠を越えてタルケギャンに抜けるには、炊事道具をすべて用意して挑まなければならないからである。

そのため、キャンプに伴う水場の確保、スタッフも安心して休める場所(カルカ)などをガイドとして確認しておく必要があった。
特に雪による水場の変化やルートの崩壊など・・・
歩行時間に大きく影響する項目は最重要課題として調査を行い、スタッフが思うように活躍できる視点で下見を行ったのである。
何かの理由でスタッフ一人欠けてしまうだけで・・・トレッキングへの影響は非常に大きいからである。


※ 眼下にキャンジンゴンパが・・・


※ 前方の斜面を登りきるとBCへ

おかげで・・・
78歳を最高にゲスト、スタッフ全員が無事、ガンジャラパスを抜け、タルケギャンまで歩き通すことができたのだ。

約60年前、深田久弥氏は仲間と一緒にこの峠を通り、ランタン渓谷にたどり着いた。
今よりも粗末な装備に、乏しい情報。峠直下まで覆われていた氷河の中を抜けたとのこと。(紀行文より)

私たちが歩いた時よりも登山環境が厳しかったのは言うまでもないが・・・
このトレッキングを終えた今、彼と同様、ランタン谷、そしてヘランブーの大地への変化あるトレッキング道は、ネパールで最も素晴らしいと思う。
是非、多くの方にこのルートを歩いてもらいたい。


※ 早朝、BCを出発しHCPを目指す


※ 足場の悪い道をひたすら登る


※ 雲海の上に、ランタンリルンが聳える


※ 氷河の末端までやっと登る


※ ナヤカンガ峰が間近に・・・


※ ガンジャラ峠が見えた!


※ スタッフと一緒に


※ 峠を越えると真っ白な氷河が


※ BCにて


※ 喉に通り易い食事に感謝


※ スタッフ全員と喜びを分かち合う

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Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 17:53Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年10月09日

深田久弥も歩いたガンジャラトレッキング ダイジェスト版 ①

ヒマラヤガイドの浅原です。

本日、何処までも晴天が続くヒマラヤより帰国。
2週間という長丁場のトレッキングがあっという間に過ぎてしまい・・・
頭の中には青空の中に映える白い峰々の思い出が沢山浮かんでくる。

タイ航空を利用して訪れたヒマラヤ
安定した定期運航でとても使い勝手がよく、サパナではよく利用する。

日本百名山」の名付け親ともいえる、深田久弥が約60年前に歩いた、ランタン谷(ガンジャラ峠を越える)トレッキングに78歳のゲストを最高に歩いてきた。
先ずは、ダイジェスト版でご紹介。


※ ヤクのヨーグルト

夏の間5000mを超える場所で放牧されていたヤクが、標高3800mにあるキャンジンゴンパ周辺に下され、新鮮なヨーグルトをゲット。
ザラメ状の砂糖を小さじ1杯入れて、頂くと最高!


※ シンドゥム村で昼食

コックの粋の計らいで・・・ヒマラヤを見ながら天麩羅うどんを頂く。
高地になると食事がのどを通り難くなるため、しっかりと食事をとっていただくために麺類を提供。
サックッと揚がった天麩羅を載せ、昆布と鰹節からとった出汁を効かしたおつゆ・・・
ヒマラヤを仰ぎながら美味しく頂いた。




※ リンドウ科  花名:オルナタ

秋を代表するお花と言えばリンドウ。
その中でも鮮やかな水色をしたオルナタが足元に沢山。
背丈は3cmほど。枯れた草地に青い花が輝いていた。


※ 4400mのピークへ高度順応

キャンジンゴンパ2日目の朝、水筒とビスケット、カメラを持って出発!
先ず、4200mのキャンジンリをめざし、秋のお花をたくさん写真に収めた。
そして、急登の根上の道を登り4400mの頂へ
ランタン山群の峰々に360度囲まれる世界を思いっきり楽しんだ。


※ 眼下にキャンジンゴンパ、そしてランタンリルンが輝く




※ チベット領にあるシシャパンマ(ゴサインタン)

高度を徐々に上げて行くと・・・
ランタン渓谷に聳える神々の座が雲の上に突きだし、全貌を現す。
中国領に鎮座する8000m峰シシャパンマがドーム型の容姿を見せてくれた。


※ 5100mを超えるガンジャラ峠

前日の夕方から降り続いた粉雪が残るBCを出発して、深田久弥が約60年前に仲間と一緒に越えたガンジャラ峠へ。
氷河に覆われた峠直下をゆっくりと下る。

ヒマラヤの大自然が残る無人地帯を数日間キャラパンし、カトマンズに戻ってきた。

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ヒマラヤトレッキング専門 サパナ

  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 18:04Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年10月08日

チーズの買い出し

ヒマラヤガイドの 浅原です。

清々しいネパール出国の朝を迎えました。
手元の気温計を見てみると19度を示し、鳥のさえずりを聴きながらゲストと一緒に朝食を頂いています。

今朝、朝6時に起き、ヤクチーズを16kg買ってきました。


ゲストの希望で、丸い大きなチーズを丸ごと購入。
ついでに、チーズ工場内を説明を聴きながら見学しました。



建物内はチーズの香りで包まれ・・・・

あと数時間後には空港へ。
明日日本に着きます。  続きを読む


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 11:31Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング

2014年10月07日

カトマンズに戻ってきました。

カトマンズの北に聳えるランタン渓谷のトレッキングを終え、10日ぶりに夕立ちの大粒の雨が降る中、カトマンズに戻ってきました。
連日快晴に恵まれ、青い空がどこまでも続く中に、神々しく屹立とした峰々が映え、足元には早秋の花々が沢山。

今回のルートは「日本百名山」で有名な深田久弥が歩いたガンジャラ峠を、ランタン渓谷側から登りつめ、カトマンズに至るルートでした。

日本を発つ前に、当時の彼の記録が記載された本を何度も読み、彼がこの地で体験した事と同じ境地を・・・
そういう思いで歩いてきました。

殆ど知られていない、トレッキングの様子を帰国後にご紹介します。


ヒマラヤトレッキング専門 サパナ  


Posted by ヒマラヤ専門ガイド 浅原 明男 at 17:33Comments(0)2014 ガンジャラトレッキング